- 複数の方法を組み合わせる介入が、最も効果が高い可能性がある。
- 幸福を高める方法は人それぞれで、万能な方法は存在しない。
- 運動や瞑想、自然、ポジティブな思考、社会的つながりなどを少しずつ取り入れるとウェルビーイングが高まる可能性がある。
人はどうすれば、よりよく生きられるのでしょうか。
この問いに対しては、これまでさまざまな答えが提案されてきました。
たとえば、
・瞑想
・感謝の習慣
・運動
・ヨガ
・自然の中で過ごすこと
などです。
しかし、こうした方法については長いあいだ疑問もありました。
どの方法が本当に効果的なのか。
そして、どれがいちばん効果が高いのか。
それぞれの研究は多く存在しますが、研究分野が異なるため、同じ土俵で比較されることはほとんどありませんでした。
そこで研究者たちは、さまざまな方法を一度に比較する研究を行いました。
その結果、ある重要な結論が見えてきました。
幸福を高める方法は一つではない。
そして、
複数の方法を組み合わせることで、より大きな効果が期待できる
可能性があるということです。
「幸せになる方法」をまとめて比較する
幸福感や人生満足度を高める方法については、すでに多くの研究があります。
たとえば、
・ポジティブ心理学の介入
・マインドフルネス
・身体運動
・ヨガ
・自然との接触
などです。
しかし、ここには一つ問題がありました。
研究が分野ごとに分断されていることです。
心理学の研究は心理学の研究同士で比較され、
運動の研究は運動の研究同士で比較されます。
そのため、
「結局どれが一番効果的なのか」
という問いには答えにくかったのです。
この問題を解決するため、研究者たちはネットワークメタ分析という統計手法を使いました。
これは、異なる介入を同時に比較できる方法です。
研究では、
・183のランダム化比較試験
・22,811人の成人
という大規模なデータが分析されました。
対象となったのは、病気の治療ではなく、一般の成人のウェルビーイングを高める介入です。
つまり、
すでに健康な人が、よりよく生きるための方法
が調べられました。
ウェルビーイングとは何か
ここでいうウェルビーイングとは、単に「病気がない状態」を意味するわけではありません。
研究では次のような要素を含む概念として扱われています。
・幸福感
・人生満足度
・ポジティブな感情
・レジリエンス(回復力)
・人生の充実感
つまり、
「よく生きている」という主観的な感覚
のことです。
この研究は、オーストラリアの**サザンクロス大学(Southern Cross University)**などの研究者によって行われました。
研究者たちは、現代社会では単に病気を減らすだけではなく、
人々のウェルビーイングそのものを高めることが重要になっている
と指摘しています。
世界では現在、
・慢性疾患の増加
・健康格差
・気候変動
・社会的不安
など、さまざまな問題が重なっています。
そのため、
「よりよく生きるための方法」
を科学的に明らかにすることが、重要な研究テーマになっているのです。
ウェルビーイングを高める11の介入
研究では、ウェルビーイングを高める方法として、主に次のような介入が比較されました。
・ポジティブ心理学の介入
・マインドフルネス
・認知行動的アプローチ
・身体運動
・ヨガ
・自然体験
・健康教育
・複合的プログラム
これらは、心理的な方法だけでなく、身体活動や環境との関わりも含んでいます。
つまり、
幸福は「心」だけでなく、「体」や「環境」とも関係している
という考え方です。
最も効果が高かったのは「複合的な介入」
分析の結果、興味深いことがわかりました。
もっとも大きな効果を示したのは、
複数の方法を組み合わせた介入
でした。
たとえば、
・運動
・マインドフルネス
・ポジティブ心理学
といった要素を組み合わせたプログラムです。
このような介入は、単一の方法よりも高い効果を示す傾向がありました。
これは直感的にも理解できます。
人間の幸福は、単一の要素で決まるわけではありません。
・身体
・感情
・思考
・社会関係
・環境
など、多くの要素が影響しています。
そのため、複数の側面に同時に働きかける方法のほうが効果的なのかもしれません。
幸せになる方法は人によって違う
もう一つ重要な点があります。
それは、
万能の方法は存在しない
ということです。
運動が合う人もいれば、瞑想が合う人もいます。
自然の中で過ごすことで気分が良くなる人もいれば、
人との交流で元気になる人もいます。
つまり、
幸せになる方法は一人ひとり違う
ということです。
だからこそ、研究者たちは次のように考えています。
さまざまな選択肢を用意し、
その中から自分に合うものを見つけることが大切だと。
幸福はつくることができる
この研究が示しているのは、シンプルな事実です。
ウェルビーイングは偶然に生まれるものではない。
適切な習慣や行動によって、意図的に高めることができる可能性があります。
もちろん、一つの方法ですべてが解決するわけではありません。
しかし、
・運動
・瞑想
・自然
・ポジティブな思考
・社会的つながり
といったさまざまな要素を少しずつ取り入れることで、
私たちの生活は確実に変わるかもしれません。
そして、その変化は個人だけでなく、社会全体の健康にもつながっていくのです。
